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【第三回】 黒龍 火いら寿 純米大吟醸 生酒 黒龍酒造 福井 山田錦


黒龍酒造が醸す純米大吟醸生酒火いら寿のレビューです。
確か四合買取で頂くのは2年振りじゃないかな。
相変わらずの美しいボトルにテンションが上がりつつ頂きます。

香りは黒龍にしては結構高めですね。
ふわっとした上品さを感じさせながらも、しっかりと鼻孔をくすぐるような印象。
口に含むとまろやかさを感じる丸みを帯びた透明感。
水面に浮き上がってくるかのように仄かな酸味に添えて黒龍らしい透き通るような微かな甘味。
二つの味が入り混じりながら最後に辛味のニュアンスを加えつつ水面から立ち昇り、霧散するような印象で去っていきます。
基本的に極めて上品で所謂綺麗なお酒なんですが、香りから口当たりまでふわふわと柔らかく立ち昇ってくるような味わいが非常に楽しくて、口に運んでいると何だか晴れやかというか華やかな気分になってしまいますね。

もともとしずくより火いら寿の方が好みではありましたが、昨年かなりやらかしてくれたしずくとは違い、二年振りでも素晴らし味わいを堪能させてくれました。
この火いら寿で、自分の中の黒龍の序列について火いら寿>しずくは確定したかなw
三回目になる黒龍火いら寿のレビューでした。

【第九回】 黒龍 龍 長期熟成大吟醸 黒龍酒造 福井 山田錦


2018年初レビューは九回目になる黒龍・龍のレビューです。
半年くらい前に2本買ったものの、ちょいちょい外で黒龍を飲むのでなかなか家で開ける機会が無くといった状態で、ようやく一本目を開けることになりました。

それでは萩の皮鯨で頂きます。
香りは割と大人しめですね。
口に含むとややまろやか系の透明感。
ただ一拍置くというより半拍くらいで、すぐに味わいが広がり始めます。
熟成らしい穏やかな味わいはバランスの良い酸味と辛味が主体。
探れば微かに上品なほの甘みが…というのは黒龍らしいのですが、これ本当に甘味が微かですね。
最後はスッキリ綺麗に流れていきます。

ここまで甘味のニュアンスが控え目だったかな?という印象です。
淡麗辛口好きなので、この味で全く問題なく、甘味が増すよりは余程良いのですが、あまりそっちに偏りすぎると新潟のお酒と被ってくるので、黒龍は黒龍らしさをギリギリのバランスで保って欲しいかなとも思いますね。
まあ、相変わらず美味しく満足なのは相変わらずな黒龍・龍のレビューでした。

【第二回】黒龍 八十八号 大吟醸 黒龍酒造 福井 山田錦


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和おんで黒龍八十八号の入荷があり、運良く頂くことが出来ました。
箱は二つ並んでいますが、仕入れが二本だったというだけで、購入したのは一本だけです。
5月に昨年出荷分を家飲みしているので今年(2017年)で二本目です。

それでは早速切子のグラスで頂きます。
香りはそこそこですね。大人しいと言うほどではなく、かといって華やかという程でもなし。
口に含むと水系の透明感を発揮します。
黒龍の中では割とはっきりと透明感を主張するタイプのようですね。
徐々に酸味と辛味が程よく混じり合って広がりながらも、上品さを失わない程度に穏やかに流れていきます。
黒龍らしいほの甘さはゆっくり、じっくりと探れば見つかるといった程度に僅かに顔を出す印象ですね。
最後に雪が融けるようにしんみりと去っていきます。

これは何と言うか黒龍というお酒のシリーズの頂点に位置するお酒ですね。
安価な純吟や特吟などの味わいを整えて、徹底的に磨き上げた先にある到達点とでも言う味わい。
八十八号が黒龍という山の山頂、石田屋や二左衛門は山頂の上の雲(しずくは山頂より下の雲w)。
安価な黒龍シリーズと地続きであることを感じられる所が八十八号の特徴かな。
5月に飲んだ時のレビューをみると、透明感にまろやか系のニュアンスを感じていますが、まさに黒龍らしいという印象は同様ですね。
好きな黒龍の黒龍らしさが極まっている味なので当たり前に極良評価な黒龍八十八号のレビューでした。

黒龍 二左衛門 熟成純米大吟醸 黒龍酒造 福井 東条山田錦


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去年は石田屋を頂いた和おんで今年は二左衛門を頂くことができました。
これで黒龍の極みの酒は一通り味わったことになります。
石田屋と並ぶ黒龍酒造の最上位銘柄にして、入手難易度も高いことからこれも幻の酒の一つですね。
公式サイト上のスペックでは熟成純米大吟醸、東条産山田錦使用の35%磨きと石田屋と違うのは名前だけなんじゃないのかといった様子ではありますが、果たしてその味わいや如何に。

というわけで早速香ってみると、これはまた華やかですね。
具体的にこれという果実を連想させるわけではありませんが、フルーツ感を予感させますね。
口に含むと半瞬ほど透明感を発揮するのはやはり熟成酒ならではでしょうか。
ほんのりとした甘さに寄り添うような上品な酸味が混じり合い、香りの予感通りフルーティに、しかし甘過ぎも酸っぱ過ぎもせず、あくまで上質な日本酒といった趣でしんみりと消え去っていきます。

黒龍の特徴であるほの甘さをとことん上質にして、磨き上げたような酸味を邪魔にない程度に添えて、辛さは押さえ込んだような味わいですね。
去年の石田屋の味の記憶はさすがに消え去っているので精細な比較は難しいのですが、記事を読み返すと二左衛門の方が石田屋よりも華やかな味わいという印象です。
石田屋が透き通るような味わいの中に黒龍らしい美味しさを忍ばせているとすれば二左衛門はまろやかで柔らかな味わいの中に黒龍らしさを忍ばせているというようなイメージ。
評価は極良。
まー、高いし全然手に入らないし、これくらいはしてくれるよねという期待を軽く上回ってくる黒龍二左衛門のレビューでした。

黒龍 二左衛門
熟成純米大吟醸
東条産山田錦
精米歩合 35%
日本酒度 +5
酸度 1.1
黒龍酒造
福井

【第八回】 黒龍 しずく 大吟醸 黒龍酒造 福井 山田錦


和おんで冬出荷のしずくが入ったと聞いたので「じゃあそれで」と頂くことにしましたが、なんか大将の微妙というか怪訝な視線を感じますw
聞くと春のしずくがイマイチだった件がトラウマになってまして…とのことなのですが、あれ?
ブログじゃこき下ろしましたが、お店でそこまで酷いという話をしたっけな?と思いつつ、テイスティング。
そして大将の超心配そうな顔w

香りは大人しいですね。
口に含むと透明感を発揮しつつ、透き通るような酸味に徐々に極めて上品な旨味が入り混じってきます。
おおう、これ完璧じゃねーの?と思いつつ飲み込むと、喉を通過する際になんかセメダイン系の後味を発揮してかなり台無し。
ネット上のレビューでセメダイン臭という表現を時々見掛けることがあって、何それ?とずっと思っていたのですが、なるほどこれがセメダイン臭かと納得。

評価的には道中レコードタイムを叩き出しながら来たのに最終コーナーで大クラッシュ、結果評価不能って感じですね。
心配そうな大将には後味が若干気になるものの、基本的には美味しかったですよとマイルドに且つ嘘ではない程度に伝えていますw
しずくじゃなければ可-良くらいのランクですね。
ただ元々しずくは極良評価だったので、それを考えるとこの一年で随分落ちぶれてしまったなあという印象は否めませんね。
とは言え、このしずくについては後味さえ何とかすれば完璧というレベルなので、秋出荷分はもう要りませんが、次回出荷分には汚名返上を期待したいと思います。

追記
一週間後に残りを呑んだのですが、セメダイン臭が完全に消えてました。
やや繊細な甘味が損なわれている感はありますが、一週間後の方が美味しく、これならば極良までは行かないですが、良くらいはあるかなと。
まあ一週間経たないと真価を発揮しないのでは困り物ですがw

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