予想通り、随分時間が経ってしまいましたが、お盆帰省中の名古屋でのブラブラ観光&外飲み記録です。

同郷の友人との待ち合わせは夕方ですが、昼過ぎには名古屋入りしてまずは徳川美術館へ。
家康展よりも、以前
東洋陶磁美術館の茶道具展で見逃した徳川美術館所蔵の曜変天目茶碗及び千鳥の香炉を見るのが主な目的です。
香炉銘千鳥は思ってたより小さかったです、一言でいうとラブリーw
写真で見て勝手に抹茶碗くらいのサイズを想像していたのですが、片手に乗る大きさですね。香炉だからよく考えれば抹茶碗サイズの筈が無いのですが、思い込みというのは怖い。
曜変天目茶碗は展示していませんでした、残念。
家康展は甲冑や刀剣、合戦図などが主体なので、歴史に興味を持ちだした子供が夏休みを利用して見に来るには楽しいだろうという内容ですね。
有名な家康のお漏らし絵や日本人なら絶対教科書で見たことのある信長像の絵なども見ることができます。

バスの時間まで徳川園を散策…といえば優雅に聞こえますが、糞暑いのでさっさと引き上げて土産物屋で涼んでいました。
その後、栄に移動して丸栄、三越、松坂屋を順番に巡っていきます。
地下の食料品売り場で日本酒をチェックしながら、美術フロアで陶芸関係の展示を見物するという大阪でも定期的に行っている百貨店巡りの名古屋版ですね。※お酒については時節柄お盆帰省用の地元のお酒のプッシュばかりで、これといった銘柄は特にありませんでした。
最初に訪れた丸栄はローカル百貨店ということであまり期待をしていなかったのですが、美術骨董店では魯山人や加藤卓男、西岡小十など、見くびっておりましたことを深くお詫び申し上げますと言いたくなる作品を幾つも拝見することが出来ました。
皮鯨を愛用している田原陶兵衛さんの酒器セットもお手頃価格で置いてありましたが、残念ながら好みのタイプでは無かったので今回は見送り。
三越では「おちゃわんマルシェ 碗・盌・椀」という企画展が催されており、若手の作家さん達の作品を多数拝見することができました。茶碗のみで酒器は無いのが残念です。
ただ常設展示の方に、十一代三輪休雪他人間国宝級の高名な作家の作品が各数点置いてあり、酒器も幾つか見ることが出来ました。
フロア数、知名度共に一番期待していた栄の松坂屋は残念ながらほとんど興味のある展示はありませんでした。
ただレストラン関係はさすがに充実しているので、ここで一旦休憩を挟むことにします。

というわけで和の鉄人、中村孝明名古屋店です。ご飯を食べたいわけではないのでお酒と一品料理を幾つか注文。
お酒は黒龍純米吟醸です。黒龍純米吟醸は久しぶりですが、こんなにピリ辛だったかな?という印象。
画像の光量が足りていなくて色合いが分かり辛いですが、ぐい呑みは好みの白粉引きです。
料理はいくらトロロですが、これが結構侮れない。新鮮ないくらの下のトロロはしっかりと出汁が染みています。
トロロの中にはワサビの茎がまた絶妙な具合で混ぜ込んであって、これだけの量にも関わらず酒がやたらと進んでしまいます。
いくらトロロという雑な名前が勿体無いくらいいい仕事をしています。

続いて紋甲イカのバター焼きと野菜の天麩羅盛り合わせ。んー、これはまあ別に普通。

一合だけに留める予定が、料理途中で黒龍純米吟醸が切れてしまって、久保田萬寿を追加。キンキンに冷えた錫器の片口とぐい呑みで出てきました。錫器の酒器セットは持っていませんので新鮮に感じます。
洗心を贔屓にしているせいで萬寿はご無沙汰ですが、こんなに美味しかったかな?と思うほどに柔らかく上品な味わいでした。
錫器は酒の味をまろやかにするという俗説があります。もしその効果だとすると錫器の購入をちょっと真剣に考えなければなりません。

名物フォアグラの茶碗蒸し。
美味い!ねっとりと濃厚です。ちょっとだけ掬って口に含んで、よく冷えた萬寿をキュッといくと、こりゃたまらんといった具合で幸せ過ぎ。
ただこれ、すごく美味いけど完全に酒の肴として美味いのであって、酒飲まない人にはちょっとクドくないかな?と余計な心配もしてしまいますね。わたしは酒呑みなので一向に構いませんがw

干鮎の吸い物です。軽い休憩ついでに一杯だけ…のつもりが、かなりしっかり飲んで食べてしまいました。
この後、名古屋駅前に移動して再び百貨店巡りをするのですが、名鉄、高島屋共にこれといった見所もなく、待ち合わせまで一時間以上を残してしまいます。
というわけで、再び休憩のためにやぶそばへ。休憩するのにカフェじゃなくて一杯引っ掛けられるところを選ぶあたりが、我ながら度し難いのですが、これも酒呑みの性よのう。

揚げ餅納豆と越乃景虎です。先ほどの中村孝明のと違い、本日の最大の目的のディナーまでもう残り時間も僅かなので酒も料理も抑えめにチビチビと頂きます。

とは言え、あれだけで一時間以上保つはずもなく、鴨と白ネギの合い焼きを追加。お酒も越乃景虎を一合追加…。
中村孝明と合わせて既に四合程飲んで、かなり御機嫌な状態で友人と合流、浅田へ向かいます。

加賀料理のお店、浅田には鮎づくし懐石を食べるつもりで予約を入れたのですが、残念ながら鮎づくしは8月10日までということで、今回は夏づくし懐石です。
お酒は四合瓶をまるまる買い切る形式で、黒龍大吟醸を友人と二人で開けました。ここに来るまでに既に四合飲んでる割にスイスイ飲めてしまう味でしたね。
料理も素晴らしかったです…があまり細かに感想を書けません。
一人飲みの時はブログに投稿する前提で、ある程度感想を頭のなかで文章化しながら料理を頂くのですが、誰かと一緒の時は会話しながらになるので、後から味の細かい記述をするのが難しいという事情があります。外飲み紹介が一人飲みばかりなのは、いくつか理由があるのですが、これもその一つです。
そもそも今回は料理に夢中で撮影も完全に忘れてますがw
器も加賀料理ということで色々興味深かったのですが、まずお椀。蓋を開けると裏側に見事な金蒔絵の施された素晴らしい輪島漆器で出てきました。
またお皿は九谷焼を使用しているとの話でしたが、九谷焼から連想されるようなあまり派手な絵付けの皿は使用しておらず、あくまで料理が主役になるような皿が多いなという印象でした。中皿で出てきた青磁のような色合いに金の模様が上品に施された高台丸皿が良かったです。
というお盆に名古屋で食べて飲んだ記録の紹介でした。
三軒まとめてご馳走様でした♪