ぐい呑み 堀尾泰彦 油滴天目 清水焼 記念すべき初天目の器

酒呑みならひとつは手に入れておきたい酒器ってものがあります。
人それぞれ何が欲しいかは異なるでしょうが、例えば唐津の皮鯨、例えば江戸切子や薩摩切子、大吟醸グラスといったガラス器、例えば錫器のちろりと猪口etc…
私が過去に入手した酒器も萩焼欲しい、皮鯨欲しい、絵付けの盃欲しい、黄瀬戸欲しいといった酒呑み物欲センサーに従って購入していますが、今回紹介するぐい呑みも以前からセンサーにビンビン来ていた類の酒器です。
それは天目!
というわけで表題の通り堀尾泰彦作油滴天目のぐい呑みです。
堀尾泰彦さんのことは超有名ぐい呑み紹介ブログでべっ甲釉を使った素晴らしい作品を拝見したのをきっかけに知りまして、時々お名前を見かけると作陶展などに赴くようにしています。
今のところ直接の面識はありません。
べっ甲釉の酒器もこれまた物欲センサーにビンビン来ていますので、そのうち我が家の棚を飾ることになるでしょう。
ちなみに天目の酒器の入手はこちらが初めてです、ヒュ~、パチパチ♪
萩の皮鯨や黄瀬戸の酒盃を入手した時と同様に、手元に置いて酒も注がず光に当てたり、ひっくり返したりしながらしばらくニヤニヤしていました。
天目はわかりやすく美しいのですが、やり過ぎるとちょっと気色悪く見えてしまう印象がありますね。
試しに「天目」で画像検索すると国宝や重文級の天目茶碗が幾つかヒットしますが、結構グロテスクというか蓮コラのように感じる模様も多いです。個人的には、このぐい呑みくらいの天目模様が一番好みです。
やり過ぎるとちょっと引くのはカイラギなんかもそうです。この辺りの嗜好の個人差が焼き物の面白いところでもありますが。
しかし、あらためてこのぐい呑みを眺めてみると、いかに自分がへそ曲がりなのかを思い知らされる気分ですw
天目酒器なのに天目形ではなく玉縁の汲出形に近い器をわざわざ選ぶ辺り、そのへそ曲がりっぷりをよく表しているな…と。
皮鯨も唐津じゃなくてわざわざ萩焼から選ぶし、黄瀬戸も椀形や半筒形じゃなくて手捻りの盃形を選んだりと、素直に好みに従って買っているだけなのですが、並べて見るとなんかちょっと人と変わった俺様センスをアピールしたい中二病的コレクションのような気もして気恥ずかしさも感じます。
そうはいっても好みを譲るつもりも無いので、作家先生方には大変失礼な表現ながら、これからもへその曲がった酒器を集め続けるのでしょう。
ぐい呑みとしてはどっしりと酒を受け止めてくれる安心感のある形なので、ある程度酔ってきて盃形では手元が危なっかしい時のリリーフエースとして登場します。
もともとキラキラきらめく天目がお酒を注ぐと更に反射光が美しく輝いて、もうその情景だけで酔ってしまう、そんな天目酒器の醍醐味を存分に味わうことのできるぐい呑みです。
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