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ぐい呑 若尾経 青瓷

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突然ですが久しぶりの酒器紹介です。
志野で有名な若尾利貞さんの長男、若尾経さんの青瓷のぐい呑です。

実はもともと青瓷ってあまり好きじゃなかったりします。
東洋陶磁美術館には骨董の青瓷が掃いて捨てるほど陳列されていますが、正直青瓷の青って安っぽいというか貧乏くさく見えて全くピンと来ないw
なので、これまで青瓷の酒器を見ても一瞥すらしなかったのですが、この若尾経さんの青瓷はならまちギャラリーたちばなという奈良のギャラリーの画像を見て一瞬で一目惚れ。
これは実物を見て購入を検討せねばと思っていた所、あっという間に売約済みになってしまって歯噛みしたのが昨年の秋くらいだったでしょうか。
地元豊橋の百貨店の合同陶芸展で名前を見掛けたものの、帰省のタイミングと合わなかったり(もっともそこで青瓷の展示があったかどうかまでは不明なのですが)となかなか縁がなく、されど未練断ち難く…と悶々としていたところ、先日再びならまちギャラリーたちばなで入荷情報を発見。
週末に行くので取っておいてと馴染みの客でもないのに無茶を言って奈良まで足を運んでようやく購入することができました。

画像だけでも惹かれていましたが、実物を手に取るとますます惚れ込んでしまうほど、いちいち自分好み。
まず口縁が七角なのがとても良いです。六角だと陳腐で八角だと五月蝿そうなところ、この七角はアンバランスでありながらその辺上手くバランスが取れています。
釉薬はかなり厚く、ズシリと感じる重さも、この深い青瓷の色合いと調和しています。
何より画像のように少し薄暗がりに置いた時の、陰影の素晴らしさときたら…。

ちなみに明るくしちゃうとこんな感じ。
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これはまだそうでもないのですが、百貨店やギャラリーなどの明るい照明の下で、何の変哲もない青瓷を見ると青が薄くなってしまっていて、なんというか趣が感じられません。
この器との出会いがきっかけで「薄暗がりの青瓷の美しさ」に気付いたので、青瓷の展示などがあるとわざと影を作るような位置に立ってみたり、ぐい呑のような小品であれば手で包み込むようにして、陰影を濃くした場合の見栄えを測っているのですが、動きが明らかに不審者に見えるようで店員の視線が非常に気になったりしてしますw

ちなみにギャラリーの方が言うには若尾経さんは最近は陶芸展用の大物に力を入れていて、ぐい呑のような小物はあまり手がけなくなっているそう。
小品はギャラリー側が頼んで作ってもらっている様子で、そうなるとこの青瓷のぐい呑も今後はなかなかお目にかかれ無くなるのかも知れません。
若尾経さん自身、評価がぐんぐん上がっているそうで、きっと陶芸展や個展用の大物の作成を期待されているのでしょう。
そういう状況では、今回無理矢理にでも取り置きしてもらって、この器を入手できたことは非常に幸運でした。
久しぶりに手の中で転がしながらニヤニヤ薄笑いを浮かべてしまうくらいのお気に入りの器の紹介でした。

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